東日本大震災医療支援報告②

釧路協立病院東日本大震災医療支援報告です。今日は往診に行ってきました。


陸前高田市

後ノ入(のちのいり)という避難所となっている公民館で診察をしました。
ちょうど美容師さんたちがボランティアにきていて髪をきれいにしていました。
10人くらいの方が診察を受けましたが、そこに気になるかたがふらっとやってきました。
Aさんは震災後家族が千葉県に移住して、現在1人暮らし。
亡くなった息子さんの位牌やお墓があるため残ったそうです。
いろんな事情があるようで大変複雑な環境にあり、震災後に持病のうつが悪化。
その方とは、たまたま私たちのチームが地域訪問をしていた時に道路で話したことがきっかけでした。
夜がくるのがこわい。
さみしい。
何もする気になれない。
食事が食べられない。
ストーブの灯油を買いに行けず、寒い部屋ですごす日々…
今日も往診中にふらっと立ち寄り私の近くに座りました。
初対面にもかかわらず、「はやく楽になりたい」とポツリと話しはじめました。
表情は暗く涙がとまりません。
沖縄県からきている心のケアチームと連携をとり、専門医へ受診することができました。
私たちと道路ですれ違わなかったら、Aさんはどうなっていたでしょう…
市の保健師さん達は、手がまわらないようできめ細かな対応が難しいようです。
午後からは陸前高田市に行かせてもらいました。
県立高田病院の周辺はすべて津波に流されていました。
カルテが道路に散乱し、待合室と思われるところには天井が抜け落ちてベットやポータブルトイレなどが…
あたりは焼け野原のようでした。
県立高田病院
今日の最高記憶は16℃  桜が咲き始めています。
すぐ近くの赤崎小学校の校庭には桜の木があって、ながされた服やゴミが枝にぶらさがっていながらも春の到来をつげています。
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