震災からの復興へ祈りを込めて~漁師さんの療養支援~

東日本大震災で被災された宮城県の漁師さんが、道東勤医協ねむろ医院の外来に通院しています。看護師たちが少しでも力になりたいとの思いから、復興への祈りも込めて、手作りの大漁旗を送りました。

マ漁のため根室を訪れていたAさんとの出会いは昨年。
釧路の協立すこやかクリニックとねむろ医院で連携しながら治療を支えていました。
3月11日震災の日、ニュースを見ながらAさんの安否をスタッフ皆で心配していました。震災から3ヶ月が経ったある日、外来にAさんの姿が。
やさしい東北訛りで笑顔を見せてくれましたが、表情には疲労が漂っていました。
震災時、とっさの判断で船を出し、命は助かったものの、両親・妻・子を亡くしたことを聞き、言葉が出ませんでした。
根室市の被災者支援条例で、今年も漁に出るが、気持ちの整理がつかないこと、先が見えないことによる不安を語ってくれました。
Aさんの病状は、3ヶ月以上もの厳しい避難所生活のため、悪化している状況でした。一緒に来根している乗組員の方の体調も心配だったため、サンマ船の準備をしているという倉庫に訪問し、体調チェックを行いました。 
皆さんはサンマ船に付けるライトの配線を一つ一つ取り付ける作業を行っていました。自分たちの体よりも、口々に船長であるAさんの病状を心配しています。
田辺院長と外来スタッフで何度もカンファレンスを開き、どう支えていくかを考えました。体調に不安なく安心して漁が出来るように、療養指導を繰り返し行い、復興への祈りを「大漁旗」(大漁旗と言っても全て手作りの水に弱いものです…)に込めました。昇る朝日の中心に「祈・大漁」と書き、田辺院長の「皆と東北の未来のためにふんばって下さい」など職員全員の思いを寄せ書きにし、出港の時に渡しました。
大漁旗
船長のAさん始め、乗組員の方々はピカピカの笑顔でいつまでも手を振り続けてくれました。先の見えない不安を、少しでも減らせるよう応援し続けたいと思います。
大漁旗

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