看護師の昆布漁体験~患者さんの労働と生活を知る~

道東勤医協ねむろ医院ではスタッフが昆布干し体験を行いました。

日々の外来診療の中で、患者さんから「昆布やればやせるんだ」、「昆布時期は忙しくて病院にいけない」という言葉を聞くうちに「昆布漁を知らない私たちが、患者さんにあった療養指導ができるだろうか?漁師さんのことをもっと知りたい!」と看護師集団が一致団結しました。
今回、昆布漁師のFさんのご厚意とご協力のもと、看護師2名・事務1名が昆布干し体験を行ってきました。
6月19日の日曜日は前日から雨模様で、体験ができるかどうか不安でした。
朝7時、船が出港し本日の漁が行われるとの連絡をいただきました。
昆布を積んだトラックが干場に到着し、機械で昆布をおろし、昆布干しの始まりです。
皆さん、昆布を5~6本両手に持ち、後ろ歩きでどんどん昆布を干していきます。私たちも教えながら、片手に1本ずつ昆布を持って、「見よう、見まね」で干しました。
根室の「幻の棹前昆布」です。
根室での昆布干し体験
炎天下の中「持っては干し、持っては干し」の作業を繰り返すうち私たちからは笑顔が消え、無言になっていました(笑)。腰をかがめるための腰痛・後ろ歩きでの両足の痛み・足場の石で足の裏の痛みを体験しました。やっと干し終わり「やれやれ」と思った矢先に、今度はせっかく干した昆布が乾かぬうちに昆布をたたんで乾燥機に運びます。
お恥ずかしい話ですが、私は「乾燥機」は、昆布を入れてスイッッチオン!と思っていましたが、この「乾燥機」の仕事もかなり手間のかかる仕事でした。
昆布を1本1本棒にかけ、なんと肩・腕・背中のこる仕事でしょう。また、Fさんに仕事の話を伺い、昆布への愛情、そして仕事への情熱、「昆布漁民が昆布にかける思い」に触れることができました。
 
今回の私たちの体験は、昆布漁のごく一部分に過ぎません。早朝からの船での漁や積み下ろし作業・連日の昆布干し、昆布選別などなど製品化される秋まで毎日とても忙しいと聞きました。
また、「昔は機械なんてないから、もっと大変だった」とのことです。
根室での昆布干し体験
この貴重な体験を通して、患者さんの生活・労働を少しでも知ることができました。
この体験やアンケートなどを元に、看護研究にも取り組み、患者さんが安心して療養できるよう支援していくこと、そして患者さんに一番近い診療所になるようにこれからも歩んでいきたいと思っています。
お世話になった皆さん、どうもありがとうございました。             
 
ねむろ医院 看護長H

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