東日本大震災医療支援報告⑦~看護師として何ができるか~

岩手県大船渡市への医療支援は5月より拠点をリアスホールという大きな避難所に場所をうつし担当地域もふえました。


T看護主任からの報告です(北海道民医連第9次チーム)
リアスホールは大きな避難所なので、色々な事件がおきた経過から警察官が24時間常駐しています。警察官は本来業務にとらわれないちがう役割もはたしてくれています。ボランティアさんが大太鼓の演奏を披露してくれましたが、その音が津波の音を思い出すきっかけとなったり、不安が増して”やめて!!”とおおきな声を出す人に寄り添ったり、一人でタバコを吸いに行くのが寂しいという人と一緒に一服したりと・・・
保健師とのカンファレンスにも参加していただくことになり、連携が築かれています。
医療支援は”こころのケア”と”生活支援にどう結びつけるか”ですが、こころのケアはNPO法人のかたとカンファレンスをしながら気になる被災者の方のフォローをしています。介護と医療介入の高いかたが入居する福祉避難所への往診の依頼がある、必要性についてもカンファレンスをしています。高齢者の廃用予防対策や、避難所にはあふれるお菓子とジュースがいつでも口にできる環境にあり子供たちの健康管理も課題です。
A看護長からの報告です(北海道民医連第11次チーム)
とにかく大変な状況です。避難所地域の訪問で日々奮闘しています。
大船渡市は仮設住宅が160戸完成し入居が始まり避難所生活を終えたり、かかりつけ医に戻れたかたもいて医療依存度は最初よりもすくなくなったといわれていますがまだまだ支援の必要なかたはたくさんいます。仮設診療所ではシーツを囲ってつくるところからはじめるので昔の出張健診を思い出します。
仮診察所
60歳の女性は、不眠で眠剤を処方してもらっていますが、また津波がきても気づかないのではと怖くて服用できないと涙ながらに訴えます。
66歳の女性は震災後20日ぶりに再会した愛犬と避難所の外でテント生活をしています。毎日胸がつまることばかりです。
一緒に支援にはいった秋田の方には、秋田弁をおそわりました。毎晩、被災者さんから求められているものはなにか?をテーマに熱い議論が夜おそくまでチームの団結を強くしてきました。はじめてあったばかりのスタッフとすぐにチームができるなんて全国の民医連はひとつだと感じます。
S看護師からの報告です(北海道民医連第11次チーム)
支援にきてから色々な地域の方々の意見が聞けてとても勉強になりました。皆さんの前向きな言葉や笑顔に出会えたことだけでもここにこれてよかったと思っています。これまで診療をおこなってきた地域の活動がいったん終了するので、引継ぎやカルテ整理など仕事が沢山あります。
カルテ整理
被災地の傷は深いものですが、そこを支えようと日々頑張っている方々が沢山いることをあらためて身をもって感じることができました。

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