初めてのグリーフケア  ~外科外来での取り組み~

外科外来ではがん患者さんを始めとする、様々な病気の患者さんと関わります。

しかし、関わる時間は外来受診している短時間の間でしか取ることができず、家族の方とはさらに、関わることができていない状況です。
そんな状況の中、外科外来に通院していた患者さんで5か月前に亡くなった方の奥様に声をかけた時、「寂しいんだ…」と話されていた事がありました。スタッフで話し合いをし、グリーフケア(グリーフケアとは…身近な人との死別を経験し、悲嘆に暮れる人をそばで支援することで、悲しみから立ち直れるようにすること。) について学習会にいったことをきっかけに、「患者さんのお宅へ行ってみよう!」「お盆も近いしお線香をあげてこよう…」とスタッフで考え、家族の方に少しでも寄り添えるケアをしていきたい気持ちから訪問していくことにしました。 
ご主人を亡くされてから約5ヶ月がすぎ、一人でテレビを見ているときや起床時にご主人が隣にいないことを思い出し、ふと寂しくなるときがあると話されていました。
食卓にはご主人の写真が飾られ、話しかけながらいつも食事をし、日々の生活でご主人を近くに感じながら生活をされていました。亡くなる数日前からご主人とは色々な話しができたことや二人の出会いなど…様々なお話しを聞くことができました。 
お話の中で「だんなとは亡くなる数日前から色んな話をしたし、後悔はない。少しは寂しいけど」と、話されていたことが印象的でした。寂しさの中にも、奥様の中で日々の生活を送っていきながら、ゆっくりと心の整理をしていっているのだと感じました。
今回の訪問から、受診している患者さん一人だけではなく、患者さんを中心に取り巻く家族にも目を向けながら、関わっていくことはとても大切であるということ。
また、故人を共に思い出し楽しいこと、辛い事を共に分かち合うことで家族や私たち自身の気持ちの整理にもつながり、共に支えられ支えあっているのだと強く感じました。
外科外来でのグリーフケアでの取り組みは始まったばかりです。まだまだ課題もありますが、今後も患者・家族の方たちの療養をお手伝いできるように頑張っていきたいです!  

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