病棟からの事例報告

認知症患者さんが、骨折して入院。

転倒による骨折だったので、再転倒予防にセンサーマットを使用し、初動の時に駆けつけられるよう対応していました。
患者さんは、病識がないため見守りの必要性を理解できず、センサーに反応した職員が駆けつけると「監視されている!何で部屋に入ってくるんだ!」と怒り出しました。

より良くしようと関わる職員と、反比例するように悪化する現状。

職員で、患者さんらしさとは何かを改めて考えました。

そして、遠くから見守ってみることに。
家族にも事情を説明して、「監視」をやめることはどうか?転倒リスクは増すかもしれないがどうか?と率直に打ち明けました。説明を聞き、家族も納得して下さいました。
遠くからそっと見守ることにしたら、患者さんはとても穏やかになり、職員に感謝の気持ちをのべるようになりました。

この経験を通じて、患者さんの意思や尊厳を見つめ直す機会になり、その後の認知症患者さんとの関わりに活き続けています。

副院長 石川晶


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