北海道薬学大会に参加してきました

2015年5月16日、17日の2日間で札幌のコンベンションセンターで行われました第62回北海道薬学大会に参加してきました。

今回のテーマは「これからの時代に求められる薬剤師像」ということで、初日は山本信夫先生(日本薬剤師会会長)が講演されていました。
薬剤師の起源から今の6年制薬剤師に至るまでの変遷を語っていただき、調剤室に籠って調剤をする時代から地域に出て訪問に行くような薬剤師の業務に変わってきており、薬剤師としての役割や責任が大きくなっていることを強調されておりました。
病院薬局は「病棟薬剤業務実施加算」や「専門薬剤師」等で期待され、保険薬局の薬剤師は「在宅医療」や「残薬管理」など地域医療のファーストアクセス(これまでの薬局はラストアクセス、つまり医療機関で最後に行くところと言われていました。)を担っていけるよう期待しているとのことでした。
2日目は北海道病院薬剤師会会員口頭発表を聞きに行きました。口頭発表では各病院で行ったことや研究などを発表していましたが、特に印象的だったのが薬剤師による入院前の外来面談でした。何のためにやるか?というと、入院前に患者様と薬剤師が面談することにより持参薬(家にあるお薬や外来で貰ったお薬で入院中にそのまま服用していただく薬のこと)の管理や入院中の薬物治療の説明などのために行うとのことでした。
入院後の薬のことでスムーズに主治医と患者様をつなげるのも今の時代求められる病院薬剤師のニーズだと感じました。
口頭発表後は佐藤博先生(日本病院薬剤師会副会長)の「病院薬剤業務の温故知新―病棟からみた地域完結型医療とその未来―」をテーマに、今後の病院薬剤師の方向性が語られました。
病院の医科点数や医療体制などのお話が絡んでおり、少し難しいお話でしたが、話し手の佐藤先生が話し上手なため、すごく分かりやすく今後の医療体系(ワイングラス型⇒ヤクルト型と例えられていました。)や医科点数の決め方などを教えて頂けました。
それを終えて、昼には「地域包括ケアシステムにおける薬剤師の役割とジェネリック医薬品の活用」をテーマにしたランチョンセミナーに参加してきました。地域包括ケアとは何か?薬剤師が関われることは何か?をご説明いただきました。
保険薬局では在宅医療をメインとして、在宅訪問し患者様が実際にはもらったが飲んでいない薬などをいかに減らせるか?は薬剤師の力にかかっていると述べておりました。持参薬集という写真集的なものを作って発表されておりましたが、多い人で家にあった薬がなんと金額にして200万円!!相当の薬が飲まずに残っていたと報告されました。
ランチョンセミナーでお腹を満たしたところで、午後からはメインのポスター発表をしてきました。今回私が発表したのは「病院薬局と保険薬局とのお薬手帳利用による薬薬連携の実践」というテーマに、協立病院で取り組んでいるお薬手帳を利用した情報発信について紹介しました。
2015北海道薬学大会
ポスター設置場所が中央で良かったのもあるのか、多くの薬剤師さんがポスターを見てくれていました。他の病院薬剤師さんからは「病院から薬局の情報発信はうちでもしているが、保険薬局からのフィードバックはありますか?」などの質問を受けたり、保険薬局の薬剤師さんからは「病院からこのように薬の経過を書いてくれると助かる」との意見もいただきました。
私自身もこのように意見を聞き、今後の薬剤師活動及び患者様の利益になるように勉強し行動していきたいと思いました。           

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