舌接触補助床(PAP)ってなに?

みなさんこんにちは!
訪問リハビリテーション(以下:訪問リハ)の言語聴覚士Yです。

みなさんは訪問リハをご存知でしょうか?釧路協立病院では2012年8月より訪問リハを行っています。
訪問リハでは、病院・施設から退院・退所され在宅(施設含む)生活をされている方が対象となります。住み慣れた地域で生活を維持するうえでの困難を、生活指導やリハビリを提供することで軽減・解消し、生きがいを持って生活できるように支援を行っています。
さて、前置きが長くなりましたが今回、訪問リハで介入させていただいている摂食嚥下障害(食べる・飲むに問題がある状態)の利用者様に対し、舌接触補助床(以下:PAP)という義歯を導入して嚥下障害へのリハビリを提供する経験がありました。
これがPAPです!
PAP表裏.png
装着した様子.png
このPAPは脳血管障害や神経筋疾患症例などにて口蓋と舌との接触不良がある場合に、PAPが口蓋と舌の接触を促し舌の運動機能を賦活化させ食塊の送り込みをスムーズにし、嚥下機能を高める効果があります。
今回の利用者様は、舌の運動障害(巧緻性・筋力低下)があり口蓋も通常の方より深く、舌の接触が不十分で送り込みに不利な状態でした。
PAPを用いる事で口蓋部の厚みが増し、舌と口蓋の接触が容易となり、口腔内の食物残留が抑えられ誤嚥頻度の減少も認められました。
また、舌の筋力強化にはペコぱんだという器具(ペコぱんだについては次の機会があればご紹介いたします!)を使用し舌尖の挙上が可能となり、口蓋と舌の接触がスムーズとなり食物の送り込みが強化されました。
このようにPAPを用いる事で嚥下機能の改善を図れる場合があります。PAPの作成は歯科の先生に行って頂く事になりますので、皆さんの周りで当てはまる方がいらっしゃればかかりつけ歯科の先生とご相談される事をお勧め致します。
*写真の使用に関しては利用者様・ご家族様より了承を得ています。
*このPAPは市内のおかだ歯科院長・岡田実継先生にご協力戴き作成してもらいました。ありがとうございました!
(担当:Y)

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