地域医療研修報告③

今週は道東勤医協に併設されている地域包括センターの1日見学や老健施設ケアコートひまわりの見学を週の初めに行いました。

地域包括センターの国試対策として高齢者の問題は全て地域包括センターで丸!と覚え方をしていましたが、実際に高齢者に関わる相談事項がたくさん舞い込んできます。一つ一つのことに丁寧に足を運んだりしながら対応をしている職員さんたちには頭が下がります。
地域包括ケアに関しては地域のケアマネ、町内会、老人クラブ、民生委員、入所施設、住民など様々なところへ働きかけをしていました。
所長さんと認知症サポーター養成講座のチラシを配りに町内会長や民生委員、銭湯の番頭さんなどに配りに行ったのですが、それぞれの家を覚えていて驚きました。
地域レベルでの働きをするために町内会などの力は重要だそうですが、最近は高齢化と若手の参加が悪い問題があり、町内会が解散してしまう事例もあるそうです。
老人クラブも今時の65歳は加入しないようで高齢化が問題となり解散が危ぶまれることが多いそうです。団塊の世代に期待したいところですね。
老健では様々な介護の仕組みを教えてもらいました。また老健では再入院になる例が多く、在宅復帰率がなかなか上がらない現状を教えてもらいました。
誤嚥性肺炎をいかに防げるか、栄養士さんやSTさん(老健でSTさんがいるところは珍しいそうです。)が行っている工夫を教えてもらいました。
STさんから、誤嚥性肺炎の人が入院したらVF(嚥下造影)検査などによる評価してもらえると嬉しいというような意見がありました。
今後の診療に役立てようと思います。
後半は釧路協立病院での外来や往診を見させてもらったり、市の健康増進室の方とお話をさせてもらいました。
看護師さんが言っていましたが、釧路協立病院では普段から飲酒や喫煙問題に対して計画的に介入している先生が多いそうです。
向坊先生の外来を見学させていただいた時もそのような姿勢が見えて勉強になりました。DO外来にプラスαできる部分はたくさんあるなと感じました。
また、釧路市は喫煙率、特に女性の喫煙率が高いという問題があるそうです。喫煙以外にも、釧路市の小児肥満率が高い、65歳未満の要支援要介護率が全国でもトップレベル、などの問題があります。喫煙や飲酒、生活習慣はその地域の文化や伝統に密接に関わっているものと思います。
地域ではこういった公衆衛生的な問題に対する取り組みが数字による結果として見えてくる魅力があるのでは、と思いました。
研修医 高橋祥也

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