地域医療研修報告②

今週は根室での研修をしました。根室は人口約2.8万人の港町です。

日本の中でも根室は医療過疎の進んだ地域です。数年前に根室の医療の砦である市立根室病院から医者が一斉になくなったこともあり現在でも夜間外来診療はやっていません。救急車を呼ぶほどではないが受診したい時は市立病院に電話相談をするそうです。
そのような過疎地域での救急医療について知るために、まずは初日に救急車同乗実習を行いました。
市立根室病院は2次救急ですので手に負えない患者は病態に応じてDrヘリや救急車で釧路市立病院などに搬送するそうですが釧路市立病院までの100km以上ある道のりを救急車で行く時はヒヤヒヤするそうです。この前、途中で脳出血で亡くなった人もいたとか。
基本的に90%以上の患者が市立根室病院に搬送されるようで、断られることはほぼありえないそうです。市立根室頑張ってます。
二日目からは勤医協ねむろ医院での研修を行いました。初めての救急外来ではない外来を経験させてもらいました。
普段とは違う設定で、血圧・糖尿病・脂質異常症の管理中の方の定期受診が多かったので戸惑いましたが、ベテラン看護師さんたちのお陰で楽しく診療を行うことができました。
どこで働くにしても、誰を見ても、まずは医者として医学的な知識は必須だとしみじみ感じました。
特に生活習慣病などの知識・治療に関するエビデンスなど本当に知識のなさを感じました。これから身につけていきたいです。
それから以前根室市は、在宅の看取りが出来ないところだったようです。
在宅管理の方が亡くなった時は救急車を呼んで、心臓マッサージされながら病院まで行っていたようです。救急隊員は死体を乗せられないので、あくまで心肺停止状態として心臓マッサージをしないとイケないそうです。何とかならないかと、ねむろ医院とねむろ市立病院の先生たちで話し合って現在は在宅の看取りをできるようになったそうです。
自分が根室に行く前に持っていたイメージとして、田舎では地域医療が進んでいそう・在宅頑張っていそう、と勝手に想像していました。
しかし、やはり医療過疎の現場では地域医療を担う医療資源も足りない現実があることも知りました。資源が豊富な都会の地域医療とは違って田舎では他職種連携が本当に力を発揮するのではないかと感じました。こういうわけで地域研修を楽しくやらせていただいております。田辺先生を始め、ねむろ医院の方々には大変お世話になりました。
研修医 高橋祥也

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