生まれ育った道東地域から学んだこと

釧路協立病院では2016年1月18日から20日にかけて愛知医科大学5年生の実習受入を行いました。

学生は帯広市出身。6歳まで釧路に住んでいました。北海道民医連のなかでは札幌市にある勤医協中央病院で2度、実習をした経験があります。「勤医協中央病院で初期研修を行った医師が、地方でどのように活躍するか見てみたい」「今、志望科のひとつである整形外科を学びたい」という希望から、今回は内科と整形外科で実習を行いました。
実習初日は釧路がどんな土地か知るために地域視診を行いました。釧路は漁業、炭鉱、製紙業があり、最も人口が多いときは20万人を超えていました。しかし太平洋炭鉱が閉山となってから、釧路は徐々に衰退していきます。「ニュータウンがたくさんあり、その周辺だけを見れば栄えているが、少し釧路のなかを探検すると、シャッターが降りている店や使われていないビルがたくさんあっ た。ここに住んでいた人の生活はどうなったのだろうか」と感想が述べられました。また地域視診をしたのも今回がはじめてで、(その地域に住む)患者さんの生活を知るための良いきっかけとなったと話してくれました。
「大学病院は急性期医療を実践していて、患者さんの生活背景を見ることはそれほど多くない。今回の実習では患者さんの疾病だけではなく、患者さんの生活背景まで見ることができた。吉岡院長の『疾病を労働と生活の場からみる』という言葉が印象的。釧路の一次産業である漁業を続けたから患った疾患など、疾患に地域性があることも学んだ」と語ってくれました。また健康診断を通して予防医学についても学び、「どの科に進んだとしても大切な視点。忘れずに精進したい」と意気込みが語られました。

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