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家庭医養成ワークショップを開催しました

ドクターブログ
2010年4月27日
釧路協立病院では、4月24日に家庭医養成ワークショップを開催しました。

今回のワークショップは病院・診療所・老健職員を対象とし、市民公開講座に引き続き、日本プライマリ・ケア連合学会理事、日生協家庭医療学開発センター長の藤沼泰樹先生にコースディレクターをして頂きました。

はじめに、藤沼先生から高齢者ケアの講義をして頂き、その後3グループに分かれ認知症高齢者の診療の質改善のためのプロジェクトを立ち上げるワークショップをPDSAを用いて行いました。

ワークショップの様子ワークショップでは一度出されたアイデアで完結するのではなく、藤沼先生や他のグループから質問や意見を出しあい、最初のアイデアを更に改善しより具体的・実践的なアイデアが生み出されていました。

参加した職員からは、チームで取り組むこと・共有していくことの重要さを気付くきっかけとなった、他職種を交えてのディスカッションが充実していて、今後の仕事のイメージが沸いてきた・モチベーションが高まったなどの感想がありました。

釧路協立病院では今後も医師養成に多くの職員が関わりを持ち、充実した研修となるよう務めめてまいります。

 

藤沼康樹先生Produce家庭医療ワークショップ 2010年4月24日(土)

PDSAを用いた認知症診療改善プロジェクト

高齢化の進行が確実な今後、認知症へのアプローチは一つの鍵になります。このワークショップでは、品質改善に用いられる「PDSAサイクル」を用いて、現在の当院・当法人における認知症診療の改善プロジェクトの立案を行いました。3グループに分かれ、それぞれ、桜ヶ岡医院・すこやかクリニックにおける改善プロジェクトを検討しました。

*PDSAサイクル...元々、工業における品質改善マネジメントを行うために提案された方法。生産プロセスの中で改善を必要とする点を特定し、改善していく為の方法で、下記のPDSAを繰り返しながら、継続的に質改善を実行していく。
P: plan...計画→D: do...実行→S: study...評価→A: act...改善→P

以下、提案されたプロジェクトです。

【桜ヶ岡1チーム】
〔テーマ〕
認知症患者の服薬状況改善プロジェクト
〔目的〕
認知症患者に多い服薬洩れをなくす
〔方法〕
a)服薬法の簡素化...食前・食後薬を食前にまとめる、1日分を朝にまとめる、等
b)種類を減らす...慢性的に処方されている内服薬の整理
c)服薬カレンダーの使用
〔効果〕
薬剤師の業務改善、飲み忘れの減少
調剤料の減少→経済的効果、一包化の解消により、「飲まされている」気分から「自分で治療に参加している」気分になれる
〔課題〕
他院処方の内服薬をどうするか

認知症と思われる患者さんの内服洩れが多い、との薬剤師からの提案から生まれたプロジェクトです。確実な内服を行うための提案と共に、患者さんの治療参加に対する意識面からの処方形態についても、意見が出されました。他院処方薬については、診療情報の共有等が検討されました。

【すこやかチーム】
〔テーマ〕
つなげて共有プロジェクト
〔目的〕
認識されていない認知症患者の拾い上げを行う
〔方法〕
a)認知症ハンコの作成...問診・診察室・会計等、各部署で認知症が疑われる言動に気付いたときに、カルテに押す
b)薬局で気付いた場合は、診療情報提供シートにて情報提供。
c) ボランティアを募集...診察待ち時間に、認知症のスクリーニング問診を実施。
※ まずは、外来一単位で実施
〔効果〕
早期発見による、スムーズな介入、予後の改善、実態を反映した主治医意見書の作成、職員の認知症に対する意識の向上、介護サービスとの連携の円滑化
〔課題〕
早期認知症の拾い上げをどうするか(この方法では、中等症以上の認知症になる)、拾い上げ後の介入をどうするか

入院で担当した患者さんが進行した認知症であったが、外来にて全く介入がされていなかった、という症例が元となって提案されたプロジェクトです。話しを進めると、「検査説明での理解不十分」「予約日の間違え」「会計がスムーズにいかない」等、各部署にて認知症を疑わせる言動に気付いていることがわかり、その情報の一元化を目的にしています。予後の改善や経営的利点を文献を用いて示す事ができれば、皆を納得させ実行できるでしょうか。

【桜ヶ岡2チーム】
〔テーマ〕
認知症いち早くキャッチプロジェクト
〔目的〕
認識されていない認知症患者の拾い上げを行う
〔方法〕
a) 職員に対する学習会の実施
b) 風貌や臭い等から、疑い例の拾い上げ
c) 待ち時間を利用しての認知症スクリーニング問診を実施
d) 会計にて、疑い例の拾い上げ
e) 疑い患者をノートにまとめる(現在ある「気になる患者リスト」の活用)
〔効果〕
早期の生活アドバイスの実施が可能、デイサービスの潜在的顧客確保、在宅診療予備軍の確保
〔課題〕
早期認知症の拾い上げをどうするか、包括シエンセンターや外の機関との連携や情報共有

診療所と接点がありながら見過ごされている認知症が多いのではないか、という考えから持ち上がったプロジェクトです。患者-職員間、又は職員-職員間の距離の近さを生かし、各々で気付いた点をチェックし、情報を一元化することを目標としています。最初に当たる壁は職員自身の認知症に対する知識不足であり、学習から始める事が提案されました。診療所にかかる前の早期認知症や、認知症患者の地域でのケアについては、包括等地域で活動している機関と力を合わせる必要があり、PDSAサイクルを回し続け、そこまで発展させられるかが課題です。

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